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「原稿用紙に子どもが書き終えた文章を、そのままAIに直させてしまっていいのだろうか」という不安を持つ保護者に向けた記事です。前々回の記事(読書感想文が書けない小学生への聞き方のコツ)と前回の記事(読書感想文の構成だけAIに手伝ってもらう使い方)では、感想を引き出す質問と、構成づくりへのAI活用を扱いました。今回はその先、子どもが実際に書き上げた「下書き」を、提出前にAIへ添削してもらう段階を取り上げます。私は子ども向け学習アプリを自作しているエンジニアの父親で、この記事では①添削でAIに任せていい範囲、②具体的な手順とプロンプト例、③コンクール・学校提出前に確認すべきこと、の3点を解説します。
結論: AIに任せるのは「気づかせる」まで、直すのは子ども自身の手
先に結論です。下書きの添削でAIに任せていいのは、誤字脱字や表現の弱い部分を「指摘してもらう」「言い換え候補を複数もらう」までで、実際に文章を直す作業は子ども自身にやらせるのが安全な境界線です。全国学校図書館協議会が主催する青少年読書感想文全国コンクールでは、生成AIの悪用への懸念から、AIが生成した文章の引用や、AI利用を執筆者本人が認めた場合に審査対象外となる規定が応募要項に追記されています(参考: まとめまとめ)。つまり「AIに直してもらった文章をそのまま清書する」という使い方は、コンクール応募作品では審査対象外のリスクを伴います。一方で、文部科学省の生成AIガイドラインでも、生成物をほぼそのまま自己の成果物として提出することは不適切とされていますが、あくまで問題視されているのは「AIの出力をそのまま使うこと」であり、指摘を受けて子ども自身が考えて書き直す使い方までは否定されていません(参考: 文部科学省「学校現場における生成AIの利用について」)。以下の3ステップを守れば、この境界線の内側で添削を活用できます。

具体的な手順とプロンプト例
ステップ1: 誤字脱字と原稿用紙のルールだけをチェックしてもらう
まず、子どもが書いた下書きをそのままAIに渡し、次のように指示します。
“`
以下は小学生が書いた読書感想文の下書きです。
誤字脱字と、原稿用紙のルール(段落の一マス空け、句読点の位置など)の
間違いだけを指摘してください。文章を書き直さないでください。
[ここに下書きを貼り付け]
“`
「書き直さないでください」という一文が重要です。これがないと、AIは親切心で全文を修正した完成形を返してしまい、子どもがそれを丸写しするリスクが高まります。指摘だけを受け取り、直す作業は子どもの鉛筆で行います。
ステップ2: 表現の言い換え候補を複数もらう
次に、子ども自身が「もっと良い言い方があるかもしれない」と感じた文だけを選び、次のように聞きます。
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次の一文について、もっと気持ちが伝わる言い方の候補を3つ挙げてください。
どれが一番良いかは自分で選びたいので、おすすめの順位はつけないでください。
「[子どもが書いた一文]」
“`
候補を1つだけもらうと、それをそのまま書き写すだけの作業になりがちです。3つの候補から子どもに選ばせることで、「どれが自分の気持ちに一番近いか」を考える工程が残り、AIの出力を丸写しする状態を避けられます。語彙の引き出しを普段から増やしておきたい場合は、小学生のまんが類語辞典のような紙の類語辞典を手元に置き、AIに聞く前にまず自分でめくってみる習慣も並行しておすすめです。
ステップ3: AI画面を閉じて清書する
候補から選んだら、AIの画面は閉じ、原稿用紙に子ども自身の手で書き写します。この時、候補の言い回しをそのまま一字一句コピーするのではなく、「自分ならこう言う」という一言を混ぜさせると、より子ども自身の文章に近づきます。
コンクール・学校提出前に必ず確認すること
添削の使い方を工夫しても、提出先によってはAI利用そのものの申告や記録を求められる場合があります。夏休みの宿題として担任に提出するだけなら大きな問題になりにくいものの、外部のコンクールに応募する場合は、応募要項にAI利用に関する記載があるかを事前に確認してください。記載がない場合も、迷ったら学校や主催者に確認するのが無難です。また、添削のためとはいえ、子どもの氏名や通っている学校名などの個人情報は入力しないようにしましょう。入力した内容がAIサービスの学習データに使われる可能性がある点にも注意が必要です。
まとめ
- 読書感想文の下書き添削でAIに任せていいのは「指摘」と「言い換え候補の提示」までで、直す作業は子ども自身が行う
- コンクールによってはAI生成文章の引用やAI利用の申告で審査対象外になる規定があるため、応募前に要項を確認する
- 「書き直さないでください」「順位はつけず候補を複数」という指示で、丸写しを防ぎながら添削を活用できる
- 個人情報(氏名・学校名など)はAIに入力しない
次のアクションとして、まずは子どもが書き終えた下書きの中から1文だけを選び、上記のステップ2のプロンプトで言い換え候補を試してみてください。
参考資料
– 【悲報】読書感想文コンクール、AI作成の感想文を禁止に「悪用の懸念」 – まとめまとめ
– 文部科学省「学校現場における生成AIの利用について」
– 読書感想文が書けない小学生への聞き方のコツ(前々回記事)
– 読書感想文の構成だけAIに手伝ってもらう使い方(前回記事)


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