運動会前日、いつもより口数が少ない、布団に入ってもなかなか寝つけない——本番を控えた子どもによく見られる様子です。ここで「緊張しないで」「早く寝なさい」と声をかけると、かえって子どものプレッシャーを強めてしまうことがあります。この記事では、①緊張への声かけの基本、②寝つきを助ける前日の過ごし方、③眠れなかった場合の対応、④当日の送り出し方を、子ども向け学習アプリを自作しているエンジニアの父親の視点でまとめます。
結論: 緊張は消すものではなく、受け止めるもの
先に結論です。前日にやるべきことは「緊張を取り除く」ことではなく、緊張している状態のまま落ち着かせることです。「緊張しないで」「大丈夫だから」という励ましは、本人が感じている不安を否定する言葉として届いてしまうことがあります。代わりに「緊張するよね、それだけ頑張ってきた証拠だよ」と、感じていることをそのまま言葉にして返すほうが、子どもは安心しやすいとされています。

やることは、①緊張を否定せず受け止める、②入浴と呼吸法で交感神経を鎮める、③眠れなくても責めない、④当日は結果でなく過程を認めて送り出す、の4つです。順番に見ていきます。
声かけ: 否定せず、比べず、結果を求めない
不安を煽らない声かけの基本は、否定しない・比べない・結果を求めないの3つです。
- 「緊張しないで」→「ドキドキするね。それだけ本気ってことだよ」
- 「1位を取らなきゃ」「○○さんより速く」→「練習頑張ったから、見てるだけで嬉しいよ」
- 「絶対大丈夫」(根拠のない断定)→「練習してきたことは、ちゃんと体が覚えてるよ」
順位や勝敗といった結果を条件にした励ましは、失敗を怖がる気持ちを強めてしまうため避けたほうがよいとされています。また、この1週間でできるようになったことを具体的に指摘する声かけ(「1週間前は隊形が覚えられなかったけど、今はもう完璧だね」など)も、自信につながる方法として紹介されています(参考: 子供の発表会や運動会の緊張を和らげる!親ができるサポート – MARCH)。
前日の過ごし方: 交感神経を鎮める習慣
緊張しているときは交感神経が優位になっており、体は興奮状態にあります。前日の夜は、意識的に副交感神経を優位にする過ごし方に切り替えるのが効果的です。
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かる(熱いお湯は逆に交感神経を刺激するため避ける)
- 寝る前に深呼吸を一緒にする。「1:2の呼吸法」(3秒吸って6秒かけて吐く、を数回繰り返す)は、本番前の緊張をほぐす方法として紹介されている(参考: 緊張をほぐす「1:2の呼吸法」のやり方 – サライ.jp)
- スマホ・ゲームは就寝2時間前までに終える(ブルーライトは睡眠を促すメラトニンの分泌を妨げるとされる)
- 前日だけ早く寝かせようとしない。いつもと違う時間に寝ようとするとかえって眠れなくなるため、数日前から少しずつ就寝時刻を早めておくほうが効果的とされている(参考: 試合前日に緊張で眠れない子供へ|親の声かけと対応 – 親学.com)
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生に9〜12時間の睡眠を推奨している(参考: こどもの理想的な睡眠時間 – nishikawa)。前日1日だけでこの時間を確保しようとするのではなく、運動会シーズンに入った時点から就寝時刻を早める意識を持っておくと、前日の緊張にも余裕を持って向き合えます。
眠れなかったときの対応: 「眠れなくても大丈夫」と伝える
どれだけ準備しても、緊張で寝つけない夜はあります。ここで親がかけるべき言葉は「早く寝なさい」ではなく、「眠れなくても大丈夫だよ」です。前夜に眠れなくても、本番のパフォーマンスがそこまで大きく崩れるわけではないとされています。
布団に入ってから20分以上眠れないときは、無理に目を閉じ続けさせるより、一度布団から出て薄暗い場所で少し体を休め、眠気が来てからもう一度布団に入るという方法も紹介されています。「寝なきゃいけない」というプレッシャー自体が、かえって眠りを遠ざけてしまうことがあるためです。
補足・注意点: 緊張しているのは親かもしれない
運動会前になると、子ども以上に親のほうがそわそわしてしまうことも珍しくありません。「ちゃんと寝た?」「緊張してない?」と繰り返し聞くこと自体が、子どもに「これは特別に心配される一大事なんだ」という空気を伝えてしまいます。親は普段どおりの態度で接し、聞かれたら答える、くらいの距離感でいるほうが、子どもは自分のペースで気持ちを整えやすくなります。
ただし、数日前から食欲不振や腹痛・頭痛が続く、朝になると強い抵抗を示すといった様子が見られる場合は、単なる本番前の緊張の範囲を超えている可能性があります。その場合は学校や小児科に相談する目安にしてください。
まとめ
- 前日にやるべきは緊張を取り除くことではなく、緊張したままの子どもを受け止めること
- 声かけは「否定しない・比べない・結果を求めない」が基本
- 入浴と「1:2の呼吸法」で副交感神経を優位にし、スマホ・ゲームは就寝2時間前までに
- 前日だけ早く寝かせようとせず、数日前から少しずつ就寝時刻を早めておく
- 眠れなかった夜は「眠れなくても大丈夫」と伝える。1晩の寝不足で本番は大きく崩れない
- 当日の送り出しは結果でなく練習の過程を認める言葉で
- 今夜はまず、子どもの「緊張してる」をそのまま「そうだよね」と受け止めることから始めてみましょう
参考資料
– 子供の発表会や運動会の緊張を和らげる!親ができるサポート – 子育て応援サイト MARCH
– 試合前日に緊張で眠れない子供へ|親の声かけと対応 – 親学.com
– 緊張をほぐす「1:2の呼吸法」のやり方【本番に強い子になる自律神経の整え方】 – サライ.jp
– こどもの理想的な睡眠時間はどれくらい?文部科学省の調査・厚生労働省の指針・国際比較 – nishikawa(西川)公式サイト


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